初めまして。まじめと申します。自分のこれまでの経験は御社で活かせると感じ、応募させていただきました!
おお、気合充分じゃのう。
面接会場は「最寄りの店舗」
面接というと、ビルの中にある会議室を一部屋借りて、そこを会場にするというイメージを持つ人もいると思いますが、私は「近くの店舗に行ってください、そこで面接を行います」と言われました。
指定されたカラオケ店に行ってみると、そこの店長さんらしき50代くらいの人(仮名:丸井店長)がカウンターの受付で待ち構えており、「コチラにどうぞ」と空いているカラオケルームへと案内してくれました。
そうです。面接会場はカラオケ店のカラオケ部屋だったのです。その時は「ああ、カラオケ店だもんなぁ」と自然に受け入れていたのですが、よく考えたら事務所の中とか、別に会場を設けることはしてくれなかった、ということですよね。
歌いながら面接したんじゃな?楽しそうじゃ~。
んなワケねーだろ!!
面接ではなく、ただの会話。
カラオケルームでの面接が始まりました。面接官は丸井店長ひとり。
社員登用面接ですから、会社の役員や面接の担当者が何人か並んでいてもおかしくないはずですが、丸井店長ひとりだけ。面接官っていうか、カラオケ店のおじさん。
最初に履歴書を提出しました。
丸井店長は履歴書を5秒くらい眺めた後、「おウチは近いの~?」「カラオケ店のイメージってどう?」「接客とか、経験ある?」と質問してきました。
私は面接っぽく、やや緊張しながら受け答えました。応募した以上は採用してもらいたいという気持ちがありましたから、何とか良い印象を与えたいと思い、会社やカラオケ業界のヨイショもしました。
でも、丸井店長は終始うわの空だったんです。なぜでしょうか?
おそらく、余程のヤバいやつじゃない限り採用することが決まっていたんでしょう。ヤバいやつっていうのは、コミュニケーションが全然取れない人とか、一人称が「俺」とかの人。私はほぼ採用が決まっている採用面接に行っていたんです。
「面接」はあっさり10分程で終わりました。最後のほうは「犬派?猫派?」みたいなどうでも良い質問に答える奇妙な時間でした。
その日の午後、スマホに着信があり、「おめでとう、採用とさせていただきます。これから仲間として、一緒に頑張っていこう」と言われ、少し感動しました。この電話は、丸井店長からではなく、ラスボスの黒井部長からでした。
この時、私は「いや、面接こいよオマエ」とは一切、思いませんでした。