「囚人と未亡人」黒トラブル編・第6話

転職の神様(笑顔)

映画のタイトルみたいな題名じゃのう!

30代筆者(笑顔)

あは、あはははははははは!

未亡人、現る。

平日の深夜でした。

うつむきながら、1人の女性が受付カウンターに近づいてくるんです。

ああ、新規のお客様か。

いらっしゃいませ、と私が言うと、その女性は顔を少し上げて、

「話、聞いてもらえますか?」

って言うんです。

ホラー映画っぽくて怖かったんですけど、お化けでも人間でもそういう話はちゃんと聞いてあげた方が良いかなと思ったので、「あっ、わかりました~」って答えたんです。

するとその女性はうっすらと笑みを浮かべて、案内した部屋に吸い込まれていくように入っていきました。


真夜中のインターフォン

平日の深夜って、そもそもカラオケ店に客は来ないんです。

学生も社会人も次の日は学校か会社がありますからね。カラオケなんかに来ている暇はない。

つまり、平日の深夜にカラオケ店に来る時点で、ワケありなんです(元店長談)。

ちなみに、平日の深夜は店長クラスならほぼワンオペです。この日も私1人で業務にあたっていました。


女性が入室してから約10分後、梅酒とポテトフライの注文を受けたので、作って持っていくと、そこで呼び止められました。

「あの、話、聞いてくれるって……?」

げっ!?そのまま、なんとなくスルーしようと思ってたのに、マジのやつだったのか。ワンオペだけど、仕方ない、聞いてやるか。

でも、この人の部屋で話聞いていたら、他の客からのインターフォンとかどうしよう……?

引用:e-インカム

カラオケ店員は、基本的に「インカム」を着けています。

マイクをONにして声を出せば、インカムを装着している人のイヤフォンにその声が届きます。

これを利用して、フロント受付カウンターにマイクをONにしたインカムを置いておきます。

私は耳にイヤフォンを着けているので、フロントの音が耳に入ってきます。もしインターフォンが鳴ったり、お客様が来たら聞こえるようにしたのです。

これで、女性の話をカラオケルーム内で安心してたっぷり聞くことができます。

夫が逮捕されました

その女性の旦那さんは、ヤクザとチンピラの間を往復しているような生活をしている人で、喧嘩やら薬で警察に何度もお世話になっているということでした。

今朝、何度も鳴るチャイムの音で目が覚めて、玄関開けたらスーツの男の人たち(警察)が立っていて、旦那が連れていかれた。と。

「おはタイ」って言うらしいよww
※「おはよう逮捕」の略

私、半信半疑で聞いているんですけど、本当っぽいし、なんかすごい話だなぁってちょっと感心しました。

残った数人の警察官が多少の経緯を説明してくれ、「執行猶予中の犯行ですので、奥さん、覚悟しておいてください」と言われたらしい。

執行猶予中だったんかい。

今回は何をやってしまったんですか?と私が聞くと、

「また相手の人を殴って骨折させちゃったみたい」

また?その言い方だと2回目の「また」じゃないだろ。10回とか数えきれない感じの言い方じゃん。

それで、旦那もしばらく帰って来ないし、まるで未亡人になったみたいで、家にずっと1人で居るのは辛いから、誰かに話を聞いてもらいたくてカラオケに来た、と。

カラオケってそういうとこじゃないよ?たまたま私が居て良かったけど。


その後、馴れ初めから現在に至るまで2時間くらい話を聞きました。

最後は「別れた方が良いって、分かっているんだけどね……」と大人の恋愛事情を語っていました。

それ以降、見かけることは無かったのですが、今はどうしてるんでしょうか。

旦那さん、また誰か殴ってなきゃいいけど。

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