何だか、物騒な世の中じゃのう……。
物騒なのは世の中じゃない、カラオケ店だ。
同期が客に殴られて骨折
私と同じ職場だった若井社員の同期、熱井(あつい)社員が客と口論になり、殴られて骨折したとの情報が入ってから数日後、毎月行われる地獄会議の日がやってきました。
熱井社員はその会議に満身創痍の状態で出席し、「大丈夫、大丈夫」と笑顔を振りまいていました。
と言っても、顔は包帯ぐるぐる巻きでデカい絆創膏が痛々しい状態だったので、誰もが「コイツもこの会社も色々、大丈夫じゃないな」と理解したと思います。
熱井社員は、私の同期でもあるので、詳細を話してくれました。
彼が店長として働く店舗でのこと。
客の退室後、清掃作業中にモニター(カラオケ部屋にある液晶パネル)が粉々に割られている部屋を発見し、急いでその客を探すとまだ店内に居た。
「画面が割れているのは、何か心当たりはないか?」と尋ねたところ、
顔面をグーで思いっきり殴られた。
鼻とアゴの骨が折れて、全治2ヶ月だと。
以前、店内で飲酒ヤクザが喧嘩している黒トラブルを紹介しましたが、熱井社員のように客にボコられる店長は結構います。
おそらく治療費ぐらいは会社負担になるでしょうが(熱井社員には、治療費がちゃんと出るのか怖くて聞けませんでした)、ケガは痛いし、店長なので翌日も出勤しなければなりません。
そのケガがもし完治しないほど大きなものだったら……?
熱井社員は笑顔で「大丈夫」だと言っていましたが、失明したりしても、同じことが言えるのでしょうか?
この時、私は「労災」についてしっかり理解することの大切さと、不毛な争いでの負傷はマイナスにしかならないことを学びました。