ついにこの時が来た!黒井部長を倒して、この会社をおさらばしてやんよ!
その意気じゃ!同期の若井社員に続くんじゃ!
情の空間を操る心理テクニック
私の番がついにやってきました。
先に面談を行った同期の若井社員は、既に帰ったみたいで、退職できたのかどうかその時はまだ分かりませんでした。
部屋に入ると、満面の笑みでラスボス黒井部長が出迎えてくれました。
「おおっ!まじめ!……まぁ、座ってくれよ!」
明るく振舞いながら、誘われたのは対面の席……ではなく、部長から見て「斜め右」の席でした。
「A」の席に座るものだと思っていましたから、イスを動かして「A」の位置に座ろうとしたんです。
そんな私を止め、わざわざ右斜めに座らせたんです。
すぐ、思いました。
「これ、何かあるんだろうなぁ」って。
また例の「どっかの本かテレビで見た小賢しい知識を披露」してるんだろうなぁってwww
で、後で調べたら、コレでした。
人は、自分の視界に入らない存在を「恐怖」と感じ、真正面の存在を「理性」で捉え、左右斜めの存在を「情」で感じるというもの。
確かに、ホストやキャバ嬢は客の隣に座りますし、試験の面接官は真正面に座ります。
部長はコレを知っていて、私と対面で座るのを避けた。
対面だと私と部長は「理性」で話をすることになりますから、「この会社はブラック企業だ」と冷静に判断されて、辞められてしまう。
だから「情」で訴えかける勝負をしてきたわけです。
最初から「A」の席にイスを置いていなかったのは、そういう作戦だったわけ。
ホント、小賢しいよねwww
「情の空間」は左右で別の意味を持つ
ちなみに、もっと調べてみると、「情の空間」は左右で別の意味を持っていました。
左ななめ前の「B」の席だと「親密になりたい時」ですから、退職を引き止めたい時に座る場所としては不適切ですね。
それに対して「右ななめ前」は、「取引・交渉に向く座り方」。
今回のケースにうってつけの場所です。
私の「面談」はまだ始まったばかりですが、既に部長の仕掛けたトラップに引っかかっていたわけです。