「たこ焼きヤクザは保護者なの」黒トラブル編・第1話

たこ焼き
転職の神様(笑顔)

ほっほっほ。何じゃ「タコ焼きヤクザ」って!

30代筆者(笑顔)

笑い事じゃねーんだよ

店長、いいから、来てください。

久しぶりの休日。

日々の激務で体はどこも痛いし精神的にも辛い。

でも今日は休日。

スーパーで買った刺身をつまみにビールでリフレッシュだ!!

プシュッ……。トクトクトク……。

ゴク……ゴク……ゴク…………。

プっはぁぁぁぁぁぁぁ~!!!うまい!!最高だぜ!!

マグロとブリと、この魚はなんて魚だ?まぁいいや美味い美味い!!あはは!!

…………。

……………………。

……ん?もうすぐ23時か。そろそろ寝……

トゥルルルルル、トゥルルルルル!!

げっ!?

トゥルルルルル!!問うるるるっルルルル!!!

うわ、最悪だよ。はぁ……出るか。

はい。まじめです。なんですか?

……はい。……はい。

……わかりました。行きますね。

カタギじゃねえんだぞ?

酔っぱらっていた私は徒歩で15分かけて勤めていた店舗に向かいました。

火照った顔を冷ますように、夜風が気持ちよく吹いている。

……まぁ、なんとかなるだろう。

だんだん冷静になってきた私は、クレーマー対応のマニュアルを思い出していました。

相手の話を聞いて、心を込めて謝る(フリ)。

相手の言っている問題点を解決する案を提示し、それで納得していただけないか申し出る。

最期にもう一度、謝る(フリ)。

なんて簡単なんだ。余裕じゃねーか。

……着いた。

テロリローンテロリローン。

店内に入ると、いつもの陽気なBGMと共に、怒鳴り散らす声が喫煙ルームのほうから聞こえてくる。

全然ジョイサウンドじゃない。

怒鳴り声の方に近づいていくと、黒シャツのチンピラおっさんが、おばちゃんスタッフに向かってめちゃめちゃキレてる。

まじめ「お待たせしました。店長のまじめと申します」

チンピラ「あ゛?お前が店長か?ゴラァ!」

まじめ「はい。この度は、不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません」

(うっわこの人、上は長袖なのに、下は短パンだ!タバコ消せよバカ)

チンピラ「カタギじゃねぇんだぞ?俺はよ?あ゛!?」

私、あんまり仁侠映画とか見ないし、こういうセリフってよく意味がわからないんですよね。熊を撃つことを生業としてる人?

カタギ…… 仕事や生活が真っ当で着実であること。また、そのような人。 感じで書くと「堅気」。

チンピラ「おい、なんで俺が怒ってんのか、言ってみろよ?」

(怒っている客をさらに怒らせてしまうのは、店員の「とにかく謝っておけば良いでしょ」という態度だ。こういう時の店員は、自分が何について謝っているのかわかっていない。「客が怒っていることに対して謝っている」のでは、客は納得しない。アタリマエ)

まじめ店長「はい。お客様が注文してくださったメニューを退室15分前にお届けしてしまったと従業員から聞いております」

(事前にスタッフに聞いておいて良かったマジで。あっぶねww)

チンピラ「そうだよな?こんな熱々のたこ焼き、カラオケしながら15分で食べろっておかしいよな!?」

まじめ店長「はい。お食事できる時間が短すぎると思います」

(食える食える余裕で。2分で。あと熱々って、メニューに「熱々たこ焼き」って書いてあるだろ目ぇ取れてんのか?)

チンピラ「じゃあどうしてくれんだよ!?もうとっくに時間過ぎてんだぞ?」

(お前のせいでな。)

まじめ店長「申し訳ございません。うちとしましては、今からルーム利用時間を1時間程サービスさせていただきたいと考えております。お客様のお時間さえよろしければ、いかがでしょうか?」

(この時、クレーマーが怒るのは、店員のちょっとした上から目線。例えば「ルーム代は無料にします。12時まで利用していいですよ」と言ったらブチ切れられる可能性もあります。あくまで、「こちらが悪かったので、その分サービスさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」という態度が大切。)

チンピラ「ふん。そうか。子供も12時過ぎまで良いってことだよな?」

まじめ店長「はい。もちろんです!」

(いや聞いてねーわ知らねーわ子供いんのかよ。条例で保護者付き添いでも11時までだわ。ってことは、たこ焼き食うのオマエじゃなくて子供かよ。いやどうでもいいわ)

まじめ店長「(……やばい。このタイミングでもし警察に見回りに来られたら責任は……俺?くそがぁぁぁぁぁ!!!!)」

チンピラ「ん?どうした?」

まじめ店長「いえ、ごゆっくりどうぞ」

夜12時20分、一件落着。

退室10分前コールは急かしているように思われたらまたクレームになってしまうと思ったので、しませんでした。

すると、12時20分になって、チンピラとその家族が出てきました。ああ、奥さんはそんな感じか、だよね。うん。

そして何事もなかったかのように奥さんが会計を済ませ、帰っていきました。

警察来なくてよかった。


これが、休日を返上してクレーム処理をする具体的な例のひとつです。

お酒を飲んでいようが、風邪を引いていようが、行かなければならない。

私はこの事件以降、休日の夜はスマホの電源をオフることにしました。


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投稿者: 24中(2浪4留して大学中退)

2年浪人して、やっと合格した大学を4年留年し中退した僕。 なんとか就職できた会社で待っていたのは、会社の飼い犬 「社畜犬」として理不尽な環境に耐え続ける日々だった。 嫁も子供も資産も無い。 (本当に、このままでいいのか?) ネクタイという名の首輪を外し、自由で幸せな人生を過ごすため、 一匹の犬が立ち上がった。

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