中途採用それぞれの末路
今回は、中途採用の同期5名がどんな末路を辿ったのか、話したいと思います。
いつも言っていますが、この「30代の転職」は、転職で悩んでいる人の疑問を瞬時に解決して、少しでも再就職のサポートができたら良いな、と思って作りました。
そして、もうひとつ。
私が超ブラック企業の鬼カラオケ店から抜け出し、今ではホワイト企業の正社員としてラクラクぬくぬく人生を満喫している経験から、ブラック企業に魂を削られ苦しんでいる人を1人でも多く救いたい、という思いも持っています。
だから、できるだけ具体的に書くようにして、これから就職する人、転職予定の人、ブラック企業に勤めている人、そういう人たちの参考になれば嬉しいんです。
今回も、やる気と希望に満ちて入社した中途採用の社員がどうなったか、具体的に書いていきますね!
真面目で一生懸命、笑顔が素敵な青井社員(あおい:仮名)
【社員➡副店長➡店長➡店に親が怒鳴り込む➡退職➡実家の手伝い】
青井社員はとても素直な頑張り屋さんでした。みんなから愛されるマスコットキャラクターのような雰囲気も、カラオケ店に合っていたと思います。
しかし、店長として働くこと数ヶ月。彼が働く職場に、彼のお父様が怒鳴り散らし込んで来たのです。
その内容は単純明快。
「ウチの息子をこんなに働かせてどうなってるんだ。おかしいだろ。」
お父様その通り。私がその場に居たら「そうだそうだっ!」って後ろに付きます。
そして三者面談が高校生ぶりに開かれ、彼は退職を選びました。現在は実家の仕事をお手伝いしているそうです。
魂を削られ過ぎて奇妙な選択をした辛井社員(つらい:仮名)
【社員➡副店長➡店長➡アルバイト店長】
辛井社員は若いスタッフや社員と仲良くなるのが上手で、若手の和を作れる人でした。
彼も順調に店長に昇格し、多忙な日々を過ごしていました。自分の限界の少し上の労働を求められる会社です。やがて彼は体調を崩しました。
そしてあのラスボス黒井部長との面談が行われたのです。
その結果、辛井社員はとても奇妙な、ツライ選択をしたのです。
【店長から降格しアルバイト店長として働く】という、考えられない選択。
アルバイト店長ならば、勤務日数と勤務時間は減るものの、店長としての店舗管理業務を継続して行わせることができます。それを提案したのは辛井社員本人なのか、黒井部長なのかは分かりません。
でも私は、面談での会話は聞いていませんが、店長の体調が優れないからといって、すんなり退職を受け入れるほど黒井部長は甘くないことを知っています。
彼はその後しばらくは、アルバイト店長として勤務していたそうです。
なんかちょっと足りなかった逃田社員(にげた:仮名)
【社員➡副店長試験不合格➡社員➡バックレ退職】
逃田社員は場を盛り上げてくれるムードメーカーで、カラオケ店の店員として、客とのコミュニケーションを大切にしている人でした。
中途採用5人の中で唯一、副店長試験に受からず、「勉強する時間が無いくらい自分の店舗は忙しかった」と言っていたので、「あ、そうなんだぁ」と返事しました。だって、他の4名は受かってるんだもん。
ひとりだけ受からずプライドが傷つけられた逃田社員は、自分の勤務する店舗から急にいなくなりました。いわゆるバックレですね。
上司が、「バックレたやつでも働いた分の給料は払わないといけないんだよなぁ」とボヤいていて、「あ、そうなんだぁ」と返事しました。
大切なものを探し続けた痛井社員(いたい:仮名)
【社員➡副店長➡店長➡浮気➡離婚➡退職】
痛井社員は中途採用者の中でも一番若く、若いのに妻子持ちでした。「奥さんと子供との生活を支えていくために、少しでも労働条件の良いところを探し、入社した」と聞いて、しっかりした若者だなぁ~と感心しました。
店長まで上り詰め、ふっと息をついたタイミングで魔が差したんですかね?「カワイイ店舗スタッフと相思相愛なんだよ俺ぇ~」と言って画像を見せてきました。
「あ。カワイイ。地下アイドルみたい」
「なんだよそれぇ~。褒めてんの~?けなしてんの~?」
「いやぁ、ピュアさが残っててカワイイってことだよ」
「そっかそっか。昨日もずっと一緒でさ、幸せだわ~」
「おいテメェ結婚してて子供もいんだろ」
「うん。離婚かなぁ。りこんりこーん!(ルパンザサードの言い方)」
奥さんと子供がかわいそう。強く思いました。でももしかしたら、一番かわいそうなのは痛井社員本人なのかもしれません。だって、この会社に入社して、退職するまでに彼が得たものって、愛人だけですもん。
血ヘドを吐きすぎて吐く血が無くなったまじめ社員
【社員➡副店長➡店長➡退職】
血ヘドもそうなんですが、血の話は生々しすぎるので、汗の話をしますね。
私が働いていたカラオケ店では、水分補給はいつでもOKで、ドリンクバーの「水」ボタンは押して良いことになっていました。
でも、忙しい時間帯になると、なぜだか水分補給をしたくないんです。水ボタンを押してコップに注ぎ、飲む。約20秒。その時間を受付・調理・清掃に当てたほうが良いだろう。うん、良い。
つまり「水を飲む」という作業は労働にならないムダな行為だと思うようになっていたんです。
だから、アルバイトスタッフが厨房で調理もせず水を飲んでいると、時給下げてやろうかと思うんです。
何が言いたいかというと、私は「働きすぎて洗脳されていた」ということ。
おそらく5人全員がそうだったと思いますが、この会社は体調不良でも休めません。朝起きて両腕が取れてたとしても、一応来いと言われます。
店長に昇格する前ですらこなせなかった業務量が店長昇格後、格段に増え、週休1日(月曜)になり、その休みもトラブル処理で店舗に行かなければならないことが続き、あコレ死ぬやつだ。と思い、退職を決意しました。
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